恋して日和


「カレーうまそうだったのに、ぐちゃぐちゃだなと思って‥」


「え?あー考え事してたから‥つい混ぜちゃった」


「そっか、そのままのがうまいけど、混ぜてもうまそうだよな!」


さっき“不味そう”って叫んでたのに?


そう思ったけど、彼の清々しい笑顔に何も言えなくなった。


哲斗とはまったく反対のタイプだな。


それが彼の第一印象。


「もう行こう~藍子。」


「あ―うん」


「あ、俺ー都築 眞っていうんだ!よろしく!」


「ふっ‥あたし松森 藍子、よろしく」


席から離れようと立ち上がったあたしに、都築くんは身を乗り出しながら手を振った。


それがなんだか可愛くて、あたしも手を振返えした。


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