キライ
「あなたが誰だか知らないけど、廉が選んだのは私だから。別にあなたの許可は必要ないよ」

その子は悔しさからだろうか唇を噛んだ。

「私の方がずっと大迫くんを好きなんだから」

絞りだすように唇から洩れた言葉。

うん、私よりあなたの方が大迫を想ってるよね。

でも言う相手を間違えてるよ。

それは私じゃなく大迫に言うべき言葉。

「そう廉に言ってみれば」

私はその子の横を擦り抜けて体育館に向かった。


昨日の今日でこれだもの。
この先が思いやられるなぁ…。

でも、大迫は私がこういう目に合うのも承知でカノジョのふりなんて話をしたんだよね?

いくら私の事がキライでも、そんな扱いはナイと思う。

キライ同士、どっちもどっちなんだろうけど釈然としない気分だった。
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