キライ
体育館に着くと、昨日よりは少ないけどまだ女の子のギャラリーはいた。

私が姿を表すとみんな一斉に敵意に満ちた目を向ける。

なるほど。
これじゃ大迫も気の毒かもね。

私は大迫がキライだし、カノジョのふりだからどんなに敵視されても、不愉快だけど心は大して痛まない。

もし私が大迫を好きだったなら、こんな目を向けられると居たたまれないだろなと思う。

一つため息をついてギャラリーから離れた場所で部活を眺めてると、遅れてきたマネージャーらしき女の子が慌てて体育館に入ってきた。

あっ!
さっきのとおせんぼ女!
マネージャーだったんだ。

その子は私を睨むように一瞥した。

やれやれ。
こんな女の子がまだまだ出てくるのかな?
騙してるのは申し訳ないけど、これじゃ大迫にカノジョなんて出来ないよ。

ちょっとだけ、ほんのちょっとだけど大迫に同情するな。

とりあえず私がそんな子達を追い払えば大迫も好きな子といれるんだろうし、ここは私が大人になってあげよう。

それで貸し借りなしになるんだし。
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