キライ
考え事をしていると時間が経つのが早かった。

今日も女の子に囲まれている大迫は、その囲みを抜け出して私のそばに来た。

「着替えたら送るからもうちょい待ってな」

大迫らしからぬ発言に私は目をぱちくりさせた。

あの偉そうな大迫にも少しは良心というものがあるらしい。

「ここまで待たせといてほったらかしにするとでも思ってたのか?」

私の考えを読んだかのように憮然とした表情で見下ろす。

正直、そう思ってたからコクリと頷いた。

だって、私はいわゆる虫除けじゃない?
それを気遣うなんて思う訳ない。

「お前って失礼な奴だよな」

あんたほどじゃないわ。
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