キライ
校門で大迫を待っていると、坂東くんが通りかかった。

「今日も見に来てたな」

スポーツバッグを肩に担ぎ直す坂東くんに頷き苦笑した。

「坂東くんってシュート上手いよね。バンバン入ってた」

「俺の場合、身長が足りないから得点上げてレギュラーを保つしかないからなぁ」

ため息をつきながら言う坂東くんに曖昧に微笑む。

坂東くんっていつも明るいし気さくだけど悩みもあるんだな。

「香奈!」

名前を呼ばれた方に顔を向けると大迫がいた。

「お前ら付き合ってんだって?」

意外そうな坂東くんだけど、私だってこんな事になるとは…。

「まーな。坂東も気安く香奈に話しかけんな」

はぁ?
カレシ気取りですか!?

全く、どれだけあんたは偉いのよ。

内心で思い切り悪態をつく私と違って、坂東くんは大迫の偉そうな物言いに慣れてるのか笑って私を見た。

「男の嫉妬は醜いねぇ」

「うるせーよ。行くぞ」

私は慌てて坂東くんに手を振ると大迫の後を追った。
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