キライ
大迫にああは言ったものの、時間の許す限り部活の見学は行くようにしていた。

カノジョのふりをしてるのがバレない程度に。

そんな時、大迫はちゃんと家まで送ってくれてポツポツではあるけれどお互いに他愛ない話をするようになっていた。

少しずつ大迫を知って、嫌いから苦手に格上げしてあげてもいいかな?と思ったりして。






放課後、いつも通り体育館に向かっていた私は数人の女の子に囲まれた。

どの顔もいつも部活に来ている女の子ばかり。

いつか来るとは思ってたけど、実際囲まれると怖い。

私の武器は気の強さだけで、相手に力で来られると勝てる見込みはない。



「大迫くんと別れなよ」

正面に立ってる子が口を開くと周りにいる子達も口々に同じように責める。

「嫌だって言ったら?」

内心の恐怖が出てませんようにと祈る。 

「あんただって痛い目に合いたくないでしょ?」

数で勝ってる余裕からか、意地悪く笑う姿に怒りが湧いてきた。
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