キライ
もちろん、痛い目に合うなんて嫌だ。
だけど暴力で屈すると思ってるこの子達になんか負けたくない。

「反対に聞くけど、私が別れて、それであんた達の誰かが廉と付き合ったらその子も私みたいな目に合うの?」

私の言葉で一斉に顔を見合わせる。

私は正面の子を見据えた。

「もしあんたが私の次に廉と付き合えば、今の私と同じ立場になるよ?その覚悟があるなら殴るなり蹴るなりすればいい」

私が一歩踏み出すと女の子達は一歩下がった。 

私が歩を進めるごとに包囲の輪は乱れていく。

もうすぐ輪を抜けられると思った時、走ってくる大迫の姿が見えて私は不覚にも涙が滲んだ。


バカッ!

そんな風に登場されたら、いくらキライな大迫だって王子様みたいに見えちゃうじゃない。
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