キライ
「香奈！」

大迫は私に走り寄ると、その背中で私を庇った。　

「お前ら何やってんだよ！香奈に手出ししたんなら絶対許さない！」

大迫から本気の怒りのオーラみたいなのが感じられて、私は大迫のＴシャツをギュッと握った。

「大丈夫だから…。何もされてないから…」

私の少し震えた声に振り向いた大迫は安心させるように少し微笑んだ。

「お前らに言っておく。俺は香奈と別れる気はない。香奈を傷つける事をした時は同じ目に合うと思え」

大迫の宣言に女の子達は散々に去っていった。

その姿が見えなくなった時、私は足の力が抜けて座り込んでしまった。

「おい、大丈夫か？」

大迫はしゃがみこんで私の両肩を手のひらで包んだ。

大迫の前だというのも忘れてポロポロ流れる涙に視界がぼやける。

きっと私を見ている大迫の目に、今の私はどんな風に映っているんだろう…。

大迫が私をどう思うかなんて…そんな事が気になる私はどうかしてるよね。
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