キライ
「忘れて!私はいつもあんなじゃないもん!」

大迫のTシャツの胸元をグイと引っ張り抗議すると、その手を掴まれた。

びっくりした私を見下ろす大迫が小さく呟いた。

「でも…間に合ってよかった…」

そんな顔すんの反則だよ…。

私の前で今まで絶対見せた事のない顔。

最近、大迫の意外なところばかりを知って混乱気味な私。

いつも意地悪だし失礼だし口を開けば嫌味ばかり。

命令口調だし自己中だし大迫の悪口ならいくらでも言えた。

なのにその大迫にすごくドキドキしてる…。

怖い思いをして、少し弱気になってるのかな。



そーゆーのじゃないって…何となくわかってる。

私……大迫を好きになった…んだ…。
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