キライ
1日ムカムカしつつ、涼子と並んで下校しようとして気づいた。


あれ?あれ?

私が制服のポケットやカバンを探っていると涼子が訊ねる。

「香奈?どしたの?」

「携帯が…ないみたい」

「教室に忘れてきたんじゃないの?」

呆れた口調の涼子に僅かながら心当たりが…。

「そうかも…。ちょっと取りに行ってくる。先に帰ってて」

頷く涼子にごめんと手を合わせて慌てて教室に戻った。




自分の席に辿り着くと、机の中を覗き込む。

ないなぁ…。

席の周りに落としてる様子もないし、先生に持ってかれちゃった?

前も一度先生に取り上げられた事があって、先生だとマズイよね…。

うーん。
どうしよう?

諦めきれず机の横にしゃがみこんで床に落ちてないか探す。


下を向き、机の周りをウロウロしていると何かにぶつかった。

先生!?

慌てて顔を上げると、そこには大迫が立っていた。
< 3 / 73 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop