キライ
翌日、約束通り部活の見学に行った。

こうして大迫を見ていると涼子がカッコいいと言ったのがわかる気がする。

元々容姿の点では文句のつけどころはない。

長身に均整の取れた体格。
少し長めの髪は茶色がかっていてサラサラ。
少し目尻が上がっているけど、それがキリっとした印象を与える。
笑うとあどけない表情になって、そのギャップにみんなやられちゃうんだろなぁ。

ふぅ…とため息をついて大迫を見やると、例のマネージャーが甲斐甲斐しく大迫の世話を焼いている。

あれじゃバスケ部のマネージャーっていうより大迫専用のマネージャーみたいだ。

わざわざ宣言してくれなくても、傍から見てたって十分大迫が好きなんだってわかる。

あの子はああやって、少しでも大迫の傍にいたいんだろな…。

私が大迫を好きでなければ、健気だなぁと感心するだけだったかもしれない。

だけど、今の私には堂々と傍にいれるあの子が羨ましくもある。
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