キライ
当の大迫はマネージャーの気持ちを知ってか知らずかにこやかに笑顔を返している。

ずくん…と胸が痛み、急に沸き上がった不安に鼓動が早くなる。

もしかして……。

大迫の好きな人って…あのマネージャー!?

そうだとしたら私に頼んだ事は不思議じゃない。

あのマネージャーが大迫と付き合うとしたら、いつも大迫を囲んでいた女の子達は彼女に何をするかわからない。

私にだってあんな事するぐらいなんだから、ずっと一緒にいる彼女はもっと目の敵にされるだろう。

彼女を守るために私に頼んだんだとしたら…?

大迫を見つめるマネージャーを見つめる私。

知らず知らずにグッと握った拳に嫌な汗が浮かぶ。

今すぐ体育館を飛び出したいのに、大迫を見つめるマネージャーから目が離せなくて、この場所から動けなかった。
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