キライ
大迫…そーゆー事なの…?

考えれば考えるほど自分の読みが当たっているように思える。

女の子にしては長身のマネージャーは大迫の隣に並ぶとお似合いだ。

少なくともちんちくりんの私が横に並ぶよりずっと。




「何、ボケっとしてんだよ?」

いつの間にか大迫が私の隣で壁にもたれながら水筒を手にしている。

「え…?別にボケっとなんかしてないよ」

「じゃあ俺が何本ゴール決めたか言ってみな」

考えに耽って全く見ていなかったのに答えられるはずがない。

仕方なく適当に答えてみた。

「さっ、3本!」

ゴツンと鈍い音がしてゲンコツで頭を殴られた。

「いったー!」

頭を押さえて涙目になった私は大迫を睨む。

「5本だ!ちゃんと見とけ」

私はそれどころじゃなかったんですけど!

そう反論したかったけど、もちろん口に出来るはずもない。

ムッツリ黙り込む私の腕に水筒を押しつけた。
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