キライ
「そうしなよ。大迫にコクられて断る子なんていないし自信持ってさ。じゃあ私の役目もこれで終わりね」

「今までありがとな」

「うん!結構楽しかったよ。上手くいったら私には教えてよね」

くるりと踵を返した私はこれで終わったんだと張り詰めていた心の糸が切れた。



「篠田!」

私は振り向かずに足を止めた。

今、振り向いたら笑えない。

「本命にコクるから付き合って」

そんなの無理だよ!
そこまで私の心は耐えられない。

大迫とその彼女の姿を何で私が見ないといけないの!?

私は首を振って叫んだ。

「それぐらい1人でやりなよ!」

「いいから」

いつの間に傍に来たのか私の手首を掴んで引っ張って行く。

「やだよ!離してよ!」

踏ん張っても私と大迫じゃ体格が違い過ぎる。
ズルズルと引きずられるように学校に連れて行かれた。
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