キライ
「ふーん。じゃあ廉は初めて会った時から私を好きだったのかなぁ?」

ニヤニヤ笑いながら見上げて図星をつく香奈に無言で軽くデコピンしてやった。

「もうっ!」

額を押さえ、お返しと言わんばかりにカバンで俺を殴る。

「いてーなー」

香奈の首を腕でロックし身長差を活かしてのしかかる。

「おーもーいー!」

体の自由を奪われた香奈が俺の腕をペシペシ叩いた。

「降参?」

「うー、降参!」

少し悔しげに告げるところが何とも可愛い。


パッチリと大きな目にキュッと結んだ唇が勝ち気な印象だけど、思わずプニプニ突きたくなる子供のような頬が絶妙に甘さを出していて全体としてはキツくは見えない。
毛先に少しウェーブがかかった肩までの髪も柔らかい。


「おまえさ、俺と初めて会った時の事覚えてる?」

ボソッと呟く俺に目をクリクリさせて顎に指を当て少し考えてる様子。

「…二年のクラス替えで同じクラスになったからじゃなかったっけ?」

やっぱり…。

俺ってそんなに印象薄い?

一応、女の子にキャーキャー言われる程度にはモテるんすけど…。
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