キライ
肝心の俺の気持ちは無視で自分達さえよければいいのかと腹立たしく思えた。

これじゃ俺は好きな子にコクリも出来ねーよ。

香奈をカノジョ役にしたら逆ギレした女達が香奈に何するかわからないとは思った。

だけど俺の全力で絶対香奈を守るって決めてたんだ。


あの日、いつも見学に来てる女達が一人もいなかった。
しかも香奈も来てない。

香奈は毎日来てるわけじゃないからそんなに不思議でもないけど、女達がいないのが妙に気にかかる。

自分の思い過ごしならいいと部活を抜け探しに出た。

あの時、香奈を助けられて本当によかったって思う。

俺のせいで香奈に何かあったら俺は自分を絶対許せない。

あの気の強い香奈が嫌いな俺の腕の中で号泣してるのを見て、一番自分勝手なのはあの女達じゃなく俺なんだって情けなくなった。

もう香奈を解放すると、その日の帰りに告げようと思ったけど香奈の顔を見たら言えなくて反対に香奈の優しさに甘えた。
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