キライ
そんなミニスカートはいて階段上がったら丸見えじゃねーか!

俺は香奈に気付かれないよう慌ててリビングに逃げ込んだ。

下着を見ただけでこんなに興奮してるのに…裸を見たら俺ってどうなるんだ!?

胸に手を当てて騒がしい心臓が早く治まるように深呼吸を繰り返す。

鼓動が落ち着いたところで、ジュースとお菓子を乗せたトレーを持って二階に上がった。

「香奈ー、開けて」

両手が塞がってる俺は香奈を呼ぶ。

「はーい」

声と同時にドアが開いた。

机の上にトレーを置いて香奈を見ると珍しげに部屋を見回している。

「何だよ?」

照れ隠しにぶっきらぼうに言うと香奈は俺に振り向いて笑った。

「案外片付いてるね。もしかして頑張って掃除しちゃった?」

その通りなんだけど、カノジョを呼ぶからってキレイにしたと思われるのは恥ずかしい。

俺は香奈の頬っぺをふにっと摘んだ。

「いつもこんなもんなの!」

「へー」

全然信じてないような口振りで返事する香奈が憎たらしい。

「そんな事より勉強しに来たんだろ」

「そうでした」

香奈は机に教科書やノートを広げ出した。
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