キライ
手の中の容器と香奈を交互に見つめる俺に香奈は背中を向けた。

キス止まりな俺達にしてはかなり衝撃的なスキンシップでない!?

でも!
香奈が自分からこんな事を言うのはここが海だからであって、普段の香奈は絶対自分から言わないし、なかなか触らせてくれないし、これってチャンスかも?って何のチャンスなんだよっ!

視線が香奈の背中に釘付けになってる俺の頭は半パニック状態で訳のわからない事がグルグルしてる。

ギクシャクとオイルを手のひらに取り、香奈に聞こえないようにゴクリと唾を飲み込む。

「…塗るぞ」

「ちゃんと塗ってよー」

俺の心中も知らずに香奈はのんびり言う。



うわっ…。
スベスベしてる…。

オイルをまんべんなく塗る俺の手つきがくすぐったかったのか香奈が振り返った。

とたんに香奈の表情が険しくなる。

「廉!顔が弛んでる!」

ジトッと睨む香奈に慌てて首を横に振った。

俺ってすぐに顔に出ちまうんだよなぁ。
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