キライ
昼前に一旦海から上がり、昼食を買おうと香奈と一緒に売店に向かう。

そんな俺の耳にしょーもないヤローの呟きが聞こえた。

「あの子、イケてね?」

「でも男連れだぜ?」

「チッ。あの子すげータイプだったのによー」

見せつけるように香奈の肩を抱いてヤローどもの前を歩く。

ふんっ!
俺が香奈を手に入れるまでどれだけ大変だったと思うんだ!

俺を見上げて笑顔を見せる香奈の可愛いこと!

俺以外のヤローの目にはホントは触れさせたくないんだ。

……俺ってすげー独占欲の塊みてーじゃねー?

俺が想うほど香奈は想ってくれてんのかなー?

「廉?」

ジーッと見つめていたら視線を感じたのか顔を上げた。

『俺の事、どれぐらい好き?』

訊いてみたかったけど香奈が怒りそうな気がして言えなかった。

せっかく遊びに来てるのにこんなとこで喧嘩なんてシャレにもなんねー。







昼食を食べた後は浜辺でゴロゴロして、写メなんかも撮ったりして過ごした。

最後にもう一度海に入って密着を楽しんで帰り支度をする。
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