君と繋いだ手

海について
花火をしてても
上の空だった…

バチバチと綺麗な火花を
灯している花火を
じっと見つめてると
涙が出そうになった。


その時、
花火を持っていた私の腕を
掴み、私を見下ろす丹治君。


「俺、何か嫌な事言った?
手、握ったのやっぱ嫌だった?」


悲しそうに
私を見つめる丹治君…


「そんな事…」


「嘘!!
ちゃんと言って?…
俺、もう…会わない方がいいのかな?」


丹治君の言葉に
私は顔をあげて丹治君を見た。


「いや!!…
違うの…トラウマが………あって…」


声が震える…
でも、言わなきゃ…
私、丹治君を失うの嫌だ…


「トラウマ?…」


丹治は私の視線に合わせてくれて、私の言葉を待ってくれた。


「私…」


過去にあったことを
私は最初から話した。


本当に好きだったこと、
丹治君にも
遊ばれてるんじゃないかって不安があること…


丹治君は
私の言葉を零すことなく
聞いてくれた。


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