君と繋いだ手
―夜中
大量にあった花火も
あっという間になくなった。
海に浮かぶ船の灯りで
丹治君の顔が見え隠れする。
丹治君と目が合うだけで
すごく恥ずかしくなる。
「楽しかった?」
暗くて顔は見えないけど、
優しい声で私に聞く丹治君。
「うん!!
ずっとやってみたかったんだぁ!!海で花火!!」
少女漫画やドラマにありがちな海辺で花火をする光景がずっと憧れだった。
前に丹治君に話した時は
「漫画の読みすぎ!!」って笑われたけど、
叶えてくれた事がすごく嬉しかった。