君と繋いだ手


「結構広いねー」


キョロキョロと見渡しながら
落ち着かない様子。


「うん!!
てか、丹治君天井に手届きそうじゃない?
なんか悔しい…」


「あ、とどいたー♪
あ、拓巳ちゃんはお小さいから無理だねー」


右手を天井につけながら
にやにやと私を見下ろす。

さっきまで
ビクビクしてたのはどこいったんだ!!?


「私はまだ成長期だからー!!
丹治君なんか、あとは縮むだけでしょー!!」


座ってジュースのふたを
開けながら鼻で笑った。


「あ、それは言っちゃいけないなー!!!」


丹治君も座りながら
口を尖らせて私をみてきた。


「正直者なの♪」


「ひどい!!!俺泣いちゃうよー?あ、かんぱーい♪」


缶ビールを開けて
私のジュースにコツンと当てた。


< 26 / 38 >

この作品をシェア

pagetop