君と繋いだ手
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―高2の春―
クラス替えがあって
朝早く家を出てきた私は
新しい教室に
一番のりで入った。
まだ肌寒くて
教室も寒い。
シンとした教室に1人、
黒板に貼られた
クラスメイトの名前を見つめていると、
1人の女の子が入ってきた。
「おはよう」
シンとした教室に響く声、
その子は笑顔で私に挨拶をした。
私も笑って挨拶を返した。
これが
私と悦の初めての出逢いだった。