君と繋いだ手
―19歳の6月26日―
就職して
いろんな事が私の周りで起きた。
仕事上の付き合いとして
連絡を取り始めた人と
不倫関係になりかけた…
私の鈍感さと
危機感のない態度で
相手にその気を持たせてしまったんだと思う。
けどこの日、
私は彼と出会った。
「うちの若い奴でさ、
めちゃくちゃいい奴居るんだけど!!
メールしてみない?」
会社に出入りしている
ドライバーさんの
檜葉さんからの紹介されたのが始まりだった。
「…とか言って変なおじさんとかじゃないんですか?」
こんな風に
話しかけてくる人は
檜葉さんだけじゃないから
なんとなく
返す言葉は決まっていた。
「マジ!!若いから!!26?いや、5だったかな~?」
「曖昧さがまた不安を増しますね…」
「マジ本当にいい奴なんだって!!!由拿ちゃん彼氏いないっしょ!!?」
両手を合わせながら
私の顔を覗き込む檜葉さん。
人を見た目で
彼氏が居ないって決めつけるなんて…
失礼すぎますよ…
檜葉さん…