運命の恋~先生を抱きしめたい~
「警察に連絡しよう」

兄が言ったけど・・・・・
私は首を振った・・・・


「どうして?
こんなにひどいことをされたのに?」




「私だってそうしたいけど…
でも自分もこれ以上傷つくのイヤなの。
人に知られたくない……」


 先生にだけは知られたくない



「それはそうだけど」



結局琉仁の思い通りになった…
あいつに頼まれなくても
自分が可愛い私には
とても真実をさらして
闘う勇気なんかなかった・・・・



人の前に出るのはイヤだった……
そしてこの屈辱を
話すのはもっと嫌だった。



父が拳を握って震えていた。



「私のせいだ・・・・・
私が家庭を守っていたら
おまえがこんな目に合うことはなかった」



「お願いがあるんだけど・・・」


私は父の顔を見た。
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