運命の恋~先生を抱きしめたい~
兄が高校時代から
付き合っていた彼女がいることを
私たちは知らなかった。


「結婚するから」

母の診療所に来た兄から
突然の言葉に
母と二人で驚いた。


式は二人でハワイであげてきたが

こっちでは高校時代の友人や
先生を呼んで式をあげることになっていた。



久しぶりに父とも会い
家族として式に出席をすることになった。



ちょうど一カ月くらいで
アメリカにたつことになっていたから
母の挨拶まわりも兼ねて
札幌にしばらくいることになった。



「久しぶりだね・・・
紅…顔色もよくなって
また背が伸びたな・・・・・」



「うん…心配かけてごめんね。」



「安心したよ・・・・」
父は母の方を向いて

「ありがとう」と頭を下げた。




「親らしいことしてあげられた?」

母は私にそう聞いた。



「幸せだったよ、ママ
一杯甘えて過ごしたよ。」



私はそう答えた。
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