運命の恋~先生を抱きしめたい~
絡まる指を離して
その日はいつまでたっても
錬が帰ってこなかった。


携帯に電話をしても
つながらない


仕事何か大変なことでもあったのかな


私は不安で仕方がなかった。
明日は土曜日だったから最後の
記念に二人で温泉に行くことにした。


部屋に露天風呂がついてる

錬はにっコリ笑った。


別れは近づいてきているけど
この最後のイベントが
少し私を楽にさせてくれていた。



 大丈夫かな・・・・・

 交通事故とか?

不安でずっとテレビを入れた


錬がようやく帰ってきたのは
もう日付は土曜日になっていた。


うたた寝していた私を
背中から静かに抱きしめてくれた。



「おかえりなさい」

私は錬の冷えた手を
あたためるように息をはいた。


「ごめんな、心配したろう?
ちょっとクラスの子に問題が起きて
走りまわってたんだ。」



「よかった…
事故じゃないかと……」

そう言うと涙が溢れてきた。


「ごめん・・・紅・・・・」


冷たい身体の錬が愛おしい・・・・
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