運命の恋~先生を抱きしめたい~
朝…目覚めた時
錬の寝顔がある・・・・・。
静かな寝息


明日の朝が最後の朝になる


そう思うとこの瞬間を
胸に刻みつけようと愛する人の
顔を見つめていた。


絡み合っている指に光る
ダイヤの指輪は
昨日のプロポーズを思いだしてしまう。



 うれしかった・・・・


この胸の中にいたら
どんなことも幸せだと感じられるのに


私はどうしても
ここから離れなければいけない


本当のことを話して
わかってもらいたい

そんな気持ちも正直ないわけじゃないけど
そうしたいって逃げたい心は
強くなるけど……


錬に同情されて愛されるのだけは
絶対にイヤだ・・・・・


 やっぱり行くね……


きっと時が解決してくれるはず
私は死ぬんじゃない
どこかで生きているんだから……
指輪は明日返して行こう

後で気がつく場所に
そっとしまっておこう……



「ありがとう・・・・」


そうつぶやいた。
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