運命の恋~先生を抱きしめたい~
錬と一カ月暮らした部屋で
私は思いっきり泣きながら
掃除をした


婚約指輪を何度も外しては
またはめた・・・・・


『ここで錬に伝えた言葉が
私の心そのものでした。
わがままを言わせてもらうなら……
その言葉を信じて下さい……
ありがとう
愛をたくさん……ありがとう』


書きたいことはたくさんあった。
でも・・・どれもこれも
結局私のいいわけにしか思えない

錬が傷つくのが
わかるから・・・・


ただこの愛が真実だったことだけ
覚えていてくれたらいい・・・・



指輪にキスをした
カギに赤いリボンをつけた


洗濯して干したばかりの
私が使っていたエプロンのポケットに
手紙と指輪を静かに入れた。


錬がエプロンを下ろす時は
私はもう出発しているから・・・



複雑な思いが入り乱れている。
でも・・・・
もうお別れは充分にしたから



「さよなら」頭をさげた。



カギは・・・・・
真理子さんに預けて行こう



私は真理子さんの家に向かって
歩き出した。
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