運命の恋~先生を抱きしめたい~
「錬くんが結婚してって言っても
真理子はしないの?」


「可哀そうだもん・・・
錬一人になっちゃったら絶対立ち直るまで
時間かかりそうだから・・・・
それに死に怯えて暮らすのはイヤ
一人だったらその時をおおらかに
迎えられるでしょう?」



「錬くんと別れるってこと?」


「そうしなきゃって思ってる」


「あんなに素敵な人いないから」


「わかってるよ。
でも……置いて行くのイヤだもん
ずっと一緒にいたいって
辛いもの・・・・
思い残して死にたくないもん」



母は真理子が哀れで仕方がない


「先生は同情してる
私が可哀そうだって・・・
本当は逃げ出したくても
私のために縛られてるんじゃないかって
私は病気を理由にして
先生を手に入れた気がする」



「悔いのないようにって告白したのよ」



「あの時はキレイごとで
本当はそれは先生が私を拒否できないこと
知ってたような気がするの・・・
そんな重病の生徒を突き放せない
先生はそういう先生なのわかってて……
同情という愛で縛りつけてるんだ
利用してるのよ・・・・
私なんて・・・病気がなかったら
振り向いてももらえるような
女の子じゃないもの・・・・」



真理子の心は不安定だった。
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