運命の恋~先生を抱きしめたい~
「錬くんが真理子を愛していた話を
聞くのは辛い?」


「いいえ…」


「よかった きっと複雑だとは思うの
だけど…錬くんを知ってほしい
真理子が心を閉ざし気味になっても
錬くんの気持ちは変わらなかった。
もしね…もし同情が強かったとしたら
真理子との結婚はそこまでして
望まないと思うの・・・・
でも錬くんは違ったわ……
初めは同情かもしれなかった
でも二人が築きあげてきたものは
いつしか真実に変わってた
だから錬くんは強硬にプロポーズを
しようって思ってくれていたんだと
思っているわ。」



「あの悪夢の日 ケガをしていた錬くんが
誓っていたのは試合で優勝して
自分がゴールを決めれたら
そこまで追い込んで
足の不自由だった真理子と
一緒にゴールを決めるって……
待ち合わせ場所に真理子をおいてくる時
『素直に錬くんのいうこと
聞きなさいよ』ってママが言ったら
真理子はきっとわかってたんだ。
『うん わかってる
ありがとう……』そう言ったんだ。
何度も車に手を振って
本当に幸せそうな笑顔だった……
それから五分もしないうちに
真理子は天に召されてしまった……」

おじさまの目が潤んでいた。


「紅ちゃん…きっと運命だったんだよ」
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