アタシはボクの中に…
【夏季大会】
文化祭が終わり、夏季大会まで2週間に迫っていた。
秋野:仲川、あのさッッ☆
秋野先輩はアタシの面倒を見てくれる、3年生のキャッチャーだった。
美亜乃:わかりました♪
いつも廊下ですれ違っても野球部の話だけだったが、とても優しい先輩だっていう事は分かった。
今日も練習が終わり、アタシが片付けをしていたら、続々と部員が帰っていく。
部員:おつかれ♪
美亜乃:お疲れさまです☆
アタシは大会に向けて、みんなにお守りを作る事にした。
美亜乃:よしっ☆頑張るぞー♪
部室でいつも3個は作って帰ろうと決めていた。
アタシが作業していると…
ガラガラ―
部室のドアが開いた。
そこに立っていたのは、秋野先輩と吉住先輩だった。
アタシは急いでそれを隠した。
秋野:まだ居たのか??
美亜乃:はい…ちょっと片付けを…
秋野:大変だな…手伝う事ある??
美亜乃:大丈夫ですよ。
秋野:でも、偉いなぁ。なぁ、吉住☆
泰智:あ…あぁ…
秋野:どーしたんだよ??最近…
泰智:なんもねーよ。疲れたから、今日は帰るな。
秋野:おう。じゃあ、また明日な。仲川☆
美亜乃:はいっ♪お疲れさまです。
これでいいんだよね…
もう、吉住先輩とは…
アタシは頭の中で想いながらも、吉住先輩のあの寂しそうな顔が忘れられなかった…。