アタシはボクの中に…
次の日―
アタシが会場に着くと、ちょうど先輩も着いた様子だった。
泰智:よっ☆
美亜乃:おはようございます。
泰智:結構、人がいるなぁ…
美亜乃:この学校は強豪校ですから。
試合を見に行けと言われた理由が分かったのは、昨日の夜だった。
この試合の赤淀高校は、夏香のライバル校だった。
去年の夏も、負けたのはこの高校だった。
今年こそはと言う、監督の願いなんだと、アタシは理解した。
泰智:あのピッチャー、球がいいな…
美亜乃:そーですね。
アタシは試合に集中した。
今年こそは、勝ってほしかったから、一生懸命スコアをとり、みんなの力になりたかった。
試合はやはり…
赤淀高校の勝ちだった。
泰智:次はやっぱり、赤淀かぁ…
美亜乃:………
試合が終わり、アタシ達2人はみんなが練習している夏香に向かった…
泰智:何かわかったか??
美亜乃:……
泰智:おい、美亜乃!!
美亜乃:…なんですか??
泰智:なんで、何も話してくれないんだよ…
美亜乃:別に…
泰智:おかしいから聞いてるんだろ??!
先輩はキレていた。
美亜乃:別にアタシがどうしようと勝手でしょ??先輩に関係ない!!
泰智:つか、なんで名前、呼ばなくなったんだよ??
美亜乃:佳奈先輩に言われたんですッッ!!
泰智:えっ…
アタシは自分が言ってしまった事にびっくりして、口をつむった…
泰智:どういう事だよ??佳奈がどうしたんだよ…!!
美亜乃:アタシの事なんかより、先輩は野球に集中してください。もう、アタシに構わないでください。
泰智:………。
それから2人は何も喋らず夏香高校に到着した。