キミとぼくとのあい言葉。【完】
そのまま男にバスローブを外され、胸が露わになる。
男の手が、体のすみずみまで行き届く。
「…や‥っ……ん‥」
手で口を押さえて声を殺す。男に触れられるたびにビクンとなる体。
まるで自分の体じゃないみたい。
所々に、しるしが付けられる。
なかなか消えそうにない‥
愛のマーク、を。
そのマークを指で触れる。
男に抱かれている今、ある一人の男が頭に浮かんだ。
五年前、初めてキスをした
あたしの大スキな相手。
「ちょっ‥、と待って…くだ…さ‥い」
男は手を止めて、再びバスローブを着せられた。
『…また泣いてるのか』
あたしの顔を見て、サングラスの向こうに微かに見える目が揺れているように見えた。