キミとぼくとのあい言葉。【完】



フユからのプロポーズ。嬉しいはずなのに、素直に喜べない自分がいる。


『…どした?』

「あたし‥昨日、葛城さんにプロポーズされたの…っ」



素直に言うしかなかった。


全然音沙汰なしだった葛城さんから急にプロポーズされ、気が動転していて…まだ返事をしてないこと。

「フユのこと、大好きだから…。でも、葛城さんにまだ…っ」



自分の決断力のなさに泣けてくる。昨日ちゃんと断るべきだった。


『‥自分の気持ち、伝えてきな。おれはずっとこの木のそばで待ってるから』





フユに背中を押されて、走り出す。



きちんと言わないと…。あたしの大好きな人は、葛城さんじゃないって。







< 112 / 125 >

この作品をシェア

pagetop