キミとぼくとのあい言葉。【完】



ここにいてもしかたない、か‥。


帰ろとしたとき、葛城とばっちし目が合った。もう後には引けない。



『葛城、何してるわけ?』

震えてる声を抑えて、葛城を睨みながら言った。

「アキちゃんを慰めてる」

葛城の言葉に腹が立った。

…そんなことわかってるさ。お前の慰め方はそんなやり方なのか?



「桜庭は、アキちゃんの何?」


『おれは…』


葛城に聞かれて、はっとした。…おれはアキの何なんだ?

アキとおれは付き合ってんのか‥?

アキはおれのこと…スキなのか?


おれは…アキのこと‥。




「つか、お前には正直がっかりしたわ。もっとマシな男かと思ってた」



背中を向けて歩いてゆく二人がどんどん遠くに見えた。





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