MY プリンセス





俺と祐は放課後、校舎裏に行った。


「あの娘だよね」


横で祐が呟く。


「ああ」


その女は辺りを見てキョロキョロしている。



俺たちは足音をたてずに女の後ろに立った。


「はぁ…、やっぱり誰かのイタズラか…」


という女の呟きが聞こえた。







イタズラ……。
間違っちゃいねーな。







くるっと女がいきなりこっちを向いた。


…というか、帰ろうとしたのだろう。



ドンッ



もろに俺とぶつかってしまい女はふらふらとよろける。


「ご、ごめんなさいっ」


慌てて謝る女。



俺たちは無言で女を観察していた。



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