MY プリンセス
その場に残されたあたしと晃はしばらく黙っていたが、あたしが口を開いた。
「祐くん、ぜんそくなの?」
「ぜんそくで済めばいいんだけどな…」
遠くを見つめ静かに晃は言った。
「あいつさ、昔、色々あって肺に小さな穴が開いてんだ。
日常生活に支障はないんだけど、さっきみたいに大きな声で笑ったり激しい運動が出来ない。」
「そんな…」
「手術はできねえこともないんだけど、あいつが嫌がってんだ。」
そこで晃は息をついた。
「“僕はまだ死にたくない”ってな」
すごく悲しそうな笑みを浮かべる晃。
泣いているようにも見える。
「確かに、成功率低いから祐の気持ちもわからなくはねえんだけどよ」
ははっと自嘲を含んだ乾いた笑いを見せる晃。