MY プリンセス
*
あのあと、ギリギリで間に合って入学式を終えることができた。
「ねぇ、あんた。
どこの中学から来たん?」
教室の机で、ぼーっとしていると不意に声をかけられた。
「ん、え?あたし!?」
驚いて、声のする方を見ると一人の女の子が、あたしの顔を覗きこんでいた。
「あんたや、あんた」
「あ…、えと、白国中学から…」
「ふーん、白中かぁ。えらい遠いとこから来たんやね」
ふんふんと腕組みをしながら少女はうなずいた。
「うちの名前は城田夕夏。山仲中出身やねん」
「雨森結衣です。よろしく」
「うん。よろしくっ。うちのことは夕夏って呼んだってや」
「あたしのことも結衣って呼んでね」
夕夏。はじめてのお友だちができました。