MY プリンセス
ファーストゲーム

出逢い

校舎裏に行ったのはいいんだけど…



誰もいない。


しばらく待ってみたけど誰も来ない。


「はぁ…
やっぱり誰かのイタズラか…」


くるりと後ろを向くと―…




どんっ




「−…ふぇっ」


誰か人にぶつかってしまったらしい。


「ご、ごめんなさいっ」


あわてて謝ると、人影が二つあることに気づいた。
そしてふたりともあたしを見ている。



「あの…?」



「お前リングを知らねえか」



突然一人のひとにそう言われた。


「え…
リングって…」


あたしはポケットからリングを取り出し、ふたりに見せた。






「……………………」





しばらく黙っていた二人。


「祐」


「うん、わかってる
当たりだ。」



祐と呼ばれた人はあたしからリングを取り上げた。


「リングを拾ってくれて有り難う」


「じゃあ、
このリング−…」


「うん、ぼくたちのなんだ」


なんだやっぱり持ち主いたんだ。



でも、さっきの


『当たり』


って…。



「おい、お前。なまえは」もう一人の男の人が言った。


「雨森結衣…です」


「じゃあ、結衣。
左手を出せ」


この人が怖くてあたしは素直に左手をだした。


「晃」


晃と呼ばれたその人は祐という人からリングを受け取った。



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