MY プリンセス
*
「俺は更科晃(サラシナアキラ)。こいつの双子の兄」
「僕は更科祐(サラシナユウ)。晃の双子の弟。」
二人が自己紹介をしている間あたしは薬指のリング眺めていた。
「で、あのー…、コレは?」
リングを指しながら聞いてみた。
「は!?お前ばっかじゃねぇの?さっきも言ったじゃねーか“私のお姫様”って」
「いや、だからその意味がわかんないんですけど」
「あ゛あ゛!?」
びくっとあたしは肩をすくませる。
「ほらほら、晃。そんなこと言ってもわかんないよ」
ぽんぽんと祐は晃の肩をたたき
「これはゲームなんだ」
いきなりそんなことを言われた。
「…ゲーム?」
「そう。僕らのね」
「何…、それ…?」
「僕らは、リングを落として、それを拾った人を特別にしようっていうゲームをしたんだ」
祐は腕組みをしながら淡々と言う。
「そしたらお前が引っ掛かったんだ」
てか、引っ掛かったって…、人を物みたいに…
「男が釣れたらどうしようかと思ったけどね」
「まあ、そんときゃパシリだな」
この人たち、やばいかも…
そう思ったあたしは指からリングを抜き取り
「コレ、お返ししますっ」
二人に手渡し
そのまま逃げた。
追いかけてくるかも、と思ったけれど幸い追いかけてこなかった。