MY プリンセス





「俺は更科晃(サラシナアキラ)。こいつの双子の兄」


「僕は更科祐(サラシナユウ)。晃の双子の弟。」


二人が自己紹介をしている間あたしは薬指のリング眺めていた。



「で、あのー…、コレは?」



リングを指しながら聞いてみた。




「は!?お前ばっかじゃねぇの?さっきも言ったじゃねーか“私のお姫様”って」

「いや、だからその意味がわかんないんですけど」


「あ゛あ゛!?」


びくっとあたしは肩をすくませる。


「ほらほら、晃。そんなこと言ってもわかんないよ」

ぽんぽんと祐は晃の肩をたたき




「これはゲームなんだ」




いきなりそんなことを言われた。


「…ゲーム?」


「そう。僕らのね」


「何…、それ…?」


「僕らは、リングを落として、それを拾った人を特別にしようっていうゲームをしたんだ」


祐は腕組みをしながら淡々と言う。


「そしたらお前が引っ掛かったんだ」





てか、引っ掛かったって…、人を物みたいに…





「男が釣れたらどうしようかと思ったけどね」


「まあ、そんときゃパシリだな」





この人たち、やばいかも…




そう思ったあたしは指からリングを抜き取り


「コレ、お返ししますっ」

二人に手渡し






そのまま逃げた。







追いかけてくるかも、と思ったけれど幸い追いかけてこなかった。
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