お医者さんとの恋愛講座
遠くのほうで車が止まった
そして中年の男、一人だけ実来流ちゃんを残し車を降りた
今しかない…!
暗い小さな工事みたいなとこに入っていく男を見ながら、気付かれぬよう実来流ちゃんのとこへ行く
車のドアをノックし
すでに起きていた実来流ちゃんは鍵を開けた
「せ…せんせい!!」
涙をボロボロ流し、体を震わせ、俺に抱き着いてきた
「しーっ…大きな声出しちゃいけないよ」
実来流ちゃんは首をこくこくと振らせ
俺は実来流ちゃんを抱いてさっさと自分の車に戻った
「おいっ!!てめぇなにやってんだ!!」
くそっ…気付かれたか!
男は右手にナイフを持っていた
そうか…なにも持ってないわけない…
どうする…