【ホス恋・完結編】
「「いらっしゃいませ!!!」」

開いた扉に気付いた黒いスーツ姿の人達が一斉に声をかける。

「…オーナー!?」

慌てて駆け寄るのはヒデ。

「おっす」

軽く声をかけて自分のコートを脱いで渡す。

あたしも慌ててダウンを脱いで渡す。

カウンターの空いてる席に座る。

智が"ソファの方がラクやから広い席にしよ"と言ってたけど…。

今日は殆ど満席状態だから。

あたしは"大丈夫"だと答えた。

新人ホストがあたし達の席の準備を始める。

智があたしの為にオレンジジュースを取って来た。

気まぐれなあたしが、何を飲みたいと言いだしても良い様に、いろんなジュースを用意してくれていた。

智と世間話をしてると入って来たのは店長さん。

凄く綺麗な女性を連れていた。

「むっちゃ美人!!」

と興奮して智に言うと

「新地のホステスやからなぁ…」

と言っていた。

新地…正式には北新地。

"高級ラウンジ"が集結した夜の街。

ここら辺の飲み屋とは格が違う。

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