【ホス恋・完結編】
「あ~…やっぱり来てたんや…」

あたしを見下ろし鼻で笑う淳さん。

「…"やっぱり"…?」

「まぁヨシの事やから…自分の店の従業員が誕生日やったら…来えへんハズ無いからなぁ」

何もかもを知ったかの様に言う淳さんに腹が立った。

「一応オーナーですからね」

吐き捨てる様に言ってその場から離れ様とエレベーターの隣の階段の方へ歩き出した。

淳さんの横をすれ違った瞬間に腕を捕まれた。

「調子乗んなや!」

捕まれた腕を放して欲しくて振り払おうとする。

だけど淳さんの力は強くなるばかり。

「調子になんか乗ってませんけど…?」

淳さんを睨み付けた。

「ヨシをNo.1にしたのもオーナーにしたのもあたしや!!…アンタなんかに渡さへん!!大人しく色カノのまま終わってれば良かったのに!!!」

捕まれた腕に力が入って振りほどけない。

「急いでるので放して下さい!」


バンッ


勢い良く振り払ったせいで体のバランスを崩し、階段から足を滑らせた。


「きゃああああ!!!」


そのまま転落。

あたしは3階と2階の間の踊り場に居た。


見上げると、あざ笑う淳さんの姿があった。


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