【ホス恋・完結編】
看板が光ってからどれ位の時間が流れたんだろう。

ほんの数分。

それが何時間にも感じる。


バタバタと廊下を走る足音が近付いて来る。

足音の方を見ると…レイとコウ。それに店長まで。

俺は立ち上がり、近付いて来たレイの腕を掴んだ。

「何があったんや?」

怒りなのか不安なのか焦りなのか…。

自分でもよくわからない感情が込み上げて来る。


「それが…あたしもよく分からんくて…」

目を潤ませ俯きながら話すレイ。

「…ごめん…レイを責めてるん違うねん…」

「…はい…。あたしは…ただ美咲に下のコンビニまで降りて来てって電話して…そしたら淳さんがエレベーター乗るのが見えて…

でも美咲が乗ってるエレベーターとは違うからあんまり気にしてなくて…

でも何となく嫌な予感がしたから上がったら…淳さんの叫び声が聞こえて…

見に言ったら…美咲が階段の下で倒れてて…」

涙ながらに話すレイ。

レイもかなり動揺している様だ。

「美咲に"どうしたん?"って聞いても…"足滑らせた"しか言わへんくて…」

…美咲は淳を庇ってる…。

…なんで…?

淳は何がしたいんや?

「…淳さん…まだオーナーの事…かなり引きずってますからね…」

店長が呟いた。


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