【ホス恋・完結編】
部屋に入ると同時に"早く話して"と催促するレイチャン。

智があたしのお母さんに話した事を話した。

「まさか…オーナーが…?…何かの間違いやろ…?」

動揺するレイチャン。

「ううん!!だってハッキリ聞いたもん!!」

「………」

俯いて携帯をいじるレイチャン。

「ちょっと!?レイチャン?」

「オーナーに電話する!」

「はぁ!?やめてよ!!」

レイチャンから携帯を取り上げる。

「…なんで?…ちゃんと確かめようや…?」

「…お願いやから…やめて…?…これ以上惨めな思いしたくないねん…」

我慢してたハズの涙が溢れ出て頬を伝う。

「…美咲…」

顔を上げるとレイチャンも泣いていた。

「…なんで…レイチャンが泣くの?」

あたしのセリフに声を震わせながら答えるレイチャン。

「…美咲と…オーナーは…あたしの憧れやった…いつかあたしも…コウと…美咲達みたいになりたい…ずっとそう思っててん…」

「…レイチャン…」

「多分あたしだけじゃないで…真希チャンも…snowの従業員も…みんな羨ましがってたのに…」


……。

あたし達…。

…そんなに憧れられる様な関係じゃ無かったのに…。

毎回毎回トラブル続きで…。

普通のカップルに憧れてたのはこっちの方やのに…。


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