【ホス恋・完結編】
店に到着して更衣室へ向かう。

冷蔵庫からコーラを取り出し、渇いた喉に流しこむ。

ソファに横になりしばらくすると携帯が鳴る。…淳だ。

【もう着くから】


店内に入り、新人にテーブルの準備をする様に伝える。

通称"淳専用"と言われる席に、高級ボトルが運ばれる。

我が儘な淳は何でも"特別"を作りたがる。

大きなテレビが真ん前で見える席は、この店をオープンさせた時から淳の専用の席になっていた。

淳はこの店の客全員に対して"この店では自分だけが特別"だとアピールしたいらしい。

まぁ確かに俺的にも店的にも大切な太客には違いナイんだが…。

そんな事を考えながら、淳を迎える為にビルの下へ向かう。

店のドアを開けた時…。

目の前の光景に目を疑った。

店の前には、ここにあるはずのナイ愛しい美咲の姿…。

他のホストクラブに行く事の不安で幻が見えたのかと思った。

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