ドライヴ~飴色の写真~
道路の果てに
   〈1〉

「ひでえ顔だな! オイ」

 会うなり、弥生に非情な言葉を浴びせられた。

「まぁ……今日はそうでしょうね」

 否定出来ない私は、力無く呟く。

「もう、すっぴんどころじゃないよね。寝てないの? 和紗」

 ほとんど眠れていない。むしろ、シャワーすら浴びれていない。

「もう、油断出来ない年齢なんだから、気をつけないと」

 弥生が畳み掛けてくる。

 朝が爽やかだなんて、一体誰が言い始めたんだろう。
 ただの、夜の延長線でしかない。

 つまり、夜が爽やかでなければ、朝も爽やかでなんかあるわけがないのだ。

 私は、もう、BAR《レイヤー》には行かないだろう。
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