ドライヴ~飴色の写真~
 まあ、ユキちゃんだけに原因があるわけではない。

 むしろ、ユキちゃんは一応、私を気遣ってくれていたのかもしれない。

 ユキちゃんは、気遣いから、私に壮大な悪夢を見せてくれた。

 お陰で、悪夢を見る前の現実を、忘れることが出来たのだけれど。

「和紗。魂抜けてるよ」

 文乃が、今の私の様子を的確に表現した。

「…朝礼が終わったら、眉毛くらい描きなさいよ。メイク道具貸してあげるから」

 さすがに弥生も、今の私には何を言っても駄目だと思ったのか、諦めたようにそう言った。 
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