ドライヴ~飴色の写真~
〈2〉
「えっ、田中先生。今日、すっぴんどころの騒ぎじゃないじゃないですか」
二時間目の教習で、担当になった十雨くんが、おそらくすっぴん以上にひどいことになっているであろう私の顔を覗きこんで言った。
「女捨てたどころじゃないですよ。人間捨ててますよ」
「そこまでか」
十雨くんの血も涙もない言葉に、私はそれ以上の言葉が出なかった。
「ってちゃんと教習してくださいよ。オレ次みきわめなんだから」
くそう。
心配しなくても、十雨くんの運転は特にアドバイスする必要もなかった。
彼は、いつも最初の説明できちんと理解してくれて、しかもそれをすぐに実行できるのだ。
来週の修了検定に向けて、現時点での基本走行は十分に出来ていると言って良いだろう。
「えっ、田中先生。今日、すっぴんどころの騒ぎじゃないじゃないですか」
二時間目の教習で、担当になった十雨くんが、おそらくすっぴん以上にひどいことになっているであろう私の顔を覗きこんで言った。
「女捨てたどころじゃないですよ。人間捨ててますよ」
「そこまでか」
十雨くんの血も涙もない言葉に、私はそれ以上の言葉が出なかった。
「ってちゃんと教習してくださいよ。オレ次みきわめなんだから」
くそう。
心配しなくても、十雨くんの運転は特にアドバイスする必要もなかった。
彼は、いつも最初の説明できちんと理解してくれて、しかもそれをすぐに実行できるのだ。
来週の修了検定に向けて、現時点での基本走行は十分に出来ていると言って良いだろう。